[Day 1]放射線ホルミシス効果とは?大発見のきっかけはNASAだった。

ホルミシスってなに?

そもそも「ホルミシス」とはどういう意味なのでしょうか?

ホルミシスとは「ある物質を大量に用いると害をもたらすが、少ない量であれば逆に有益な作用を果たす現象」を表す言葉です。

例えば、トリカブトという植物は毒があることで有名ですが、微量ならば強心、鎮痛、消炎作用があるため漢方薬にも使われています。

サンゴ

塩も少量であれば身体に必須で良い作用があるけど、一度に大量に摂りすぎると深刻な害がありますよね。


「放射線」にも、このようなホルミシスの効果があることが分かってきました。
低線量の放射線なら、身体に様々ないい効果をもたらしてくれるというのです。

放射線は怖いものという印象だけど

とはいっても、放射線に対するイメージは、多くの人にとって良いものではありませんよね。

みなさんのなかにも「放射線は少ない量でも危険」「できるだけ浴びないほうがいい」「怖いもの」と思っている人は多いと思います。確かに高線量の放射線を一度に浴びると、健康が害され、ときには死に至ることもあります。

サンゴ

チェルノブイリ原発や福島原発の事故で話題になったのもあって、イメージはよろしくない。

ただ、放射線はもともと自然界の色々なところに存在しているものです。

ぼくらは普通に生活していても、宇宙や大地、太陽や食べ物からも一定量の放射線を浴びながら生活しています。温泉好きな人であればラジウム温泉やラドン温泉にも行ったことがあるかもしれませんが、ラジウムもラドンも放射線を出す放射性物質です。

自然の放射線
人が浴びる放射線の世界平均

世界平均では年間2.4ミリシーベルトという放射線量を人間は浴びています。(日本は約1.5ミリシーベルト)

シーベルトというのは人体に影響を及ぼす放射線の量の単位です。
1シーベルト=1000ミリシーベルト
1ミリシーベルト=1000マイクロシーベルト となります。

46億年前に地球がつくられた時から放射線は常に地面から出ていました。
宇宙や太陽からも放射線は降り注いでいます。

放射線はとにかく危険なものだと誤解されがちですが、こうした環境の中で生まれてきた人間を含む地球の生命体には、放射線を活用する身体の仕組みがあり、むしろ放射線無しには生きていくことができないとも言われています。

宇宙に行って、前よりも健康になった宇宙飛行士

放射線ホルミシスの効果を最初に提唱したのは、アメリカ・ミズーリ大学の生命科学の教授であるトーマス・D・ラッキー博士です。

そもそものきっかけとなったのは「宇宙空間の放射線が、宇宙飛行士の身体にどのような影響を与えるかを調査してほしい」というNASA(アメリカ航空宇宙局)からの依頼だったそうです。 当時NASAはアポロ計画を推進中でした。

宇宙飛行士が浴びる放射線量は地上の何百倍にものぼるため、 宇宙放射線の影響を調べる必要があったのです。

サンゴ

地上の何百倍もの放射線を浴び続ける宇宙飛行士は、体にかなり悪影響が出ているだろうと思われていたようです。

研究に取り掛かった博士は、あることに気づきました。宇宙へ行った飛行士は帰還後の健康状態が、宇宙へ行く前よりも一様に良くなっていたのです。(宇宙飛行士は帰還後、健康状態を調べるための精密検査を受けます)

その後博士はその10年にわたる研究の成果を、1982年に米国保健物理学会誌(Health Physics)に発表しました。

その内容は、

  • 「宇宙飛行士が浴びる地上の何百倍もの線量の放射線は、危険などころか、むしろ人体にとって有益である
  • 放射線には有益なものから有害なものに変わる限界線量(しきい値)がある

という驚くべきものでした。

サンゴ

微量の放射線を当てると免疫系が強くなる、がんにかかりにくくなる、幼少の頃から与えると他の人より背が伸びる、生殖力が強くなる・・・生体機能が全て活性化するという当時衝撃の内容だったのです。

放射線についてのラッキー博士の発見と従来の見解の違い

しかしラッキー博士のこの論文は当時の世界の放射線の常識であった「どんなに微量でも放射線は危険である」という学説(LNT仮説といいます)と対立するものだったので、その後長いあいだ無視され続けてしまいました。

従来の考え
ラッキー博士の新発見

この「放射能の害はその強さに直線的に比例する」という従来のLNT仮説は、米国の遺伝学者H・J・マラー博士によって提唱されました。ショウジョウバエのオスへのX線照射実験で得られた「放射線を浴びるとDNAの傷は修復されずに影響は体内に蓄積される」という実験データに基づいて発表されたものです。これにより放射線は少しでも浴びると危険となり、これには人間にもあてはまるという考えたのでした。しかし、これこそが放射線の考え方の誤解を招いた大元だったのです。このマラー仮説には重大な誤りがありました。現代の細胞学では細胞はすぐれたDNA修復酵素があることが明らかになっています。ところが、この「DNA修復」のメカニズムを当時のマラーは知りませんでした。さらに運の悪いことにマラーが実験に用いたショウジョウバエのオスの精子は、実はもともとDNA修復力を持たない珍しい細胞だったのです。そのため、弱い放射線下においても損傷した細胞は修復されないまま残ってしまい、現代まで尾を引くLNT仮説が提唱されてしまったのです。

サンゴ

なんという不運。。ショウジョウバエじゃなかったらこの混乱は起こらなかった。

服部博士がラッキー論文を証明。世界の研究者を動かした !

あわやラッキー博士の大発見は永久にお蔵入りになる危機に瀕していましたが、1980年代後半から、日本の電力中央研究所の服部禎男博士らが中心となって、ラッキー論文の検証を開始。10年以上にわたる検証実験が行われ、低線量の放射線が人体にさまざまな有益な作用があることが明らかになりました。

それ以降、世界中の機関でも実験が行われるようになり、今では国内外の3000以上の研究論文から放射線ホルミシスの効果が実証され、医療の現場においても利用されるようになってきています。

服部博士グッジョーブ!!日本人がターニングポイントとなったんだね。

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